遠藤浩良の雑記帳 当法人理事長遠藤浩良が個人的意見として発信する『遠藤浩良の薬学雑記帳』をお届けします。 薬学、薬業、医療に関する資料、情報、意見など盛りだくさんな内容です。
No.098
「テリパラチド連日投与の市販後調査中間解析結果」
―近大・医他のJFOS研究 原稿

  小生は、昭和52年(1977年)我が国としては久し振りに新設された帝京大学薬学部内に 創設された「生理化学教室」(生物学における biological chemistry 一般を広く研究対象 とするのではなく、高等動物(特にヒト)に特異な生体反応調節機構の一つである ”ホルモン調節” 機序の解明を限局的な研究対象とする教育・研究単位)を 教授として 主宰すべく、まだ40歳代後半の血気盛んな“”内分泌薬学” 研 究者の一員 として勇躍赴任しました。

その辺の気分は、同大学を停年退職後現在までの10年余注力しておりますこのNPO「医療教育研究所」ホームページ上の自身のサイト「遠藤浩良の雑記帳」の一節 『 No.008 「骨粗鬆症薬としての副甲状腺ホルモンPTH」 今昔譚 』 にしたためており ますので、ご参照いただけましたら幸いです。

  なお、この主題に関しましては、同サイト内の
“ビスホ薬” による顎骨壊死が ”PTH薬” で治療できる!!
ビスホスホネート薬の逆説的副作用としての大腿骨幹部非定型骨折 ! ! ―― PPI の副作用から十分に予期されたのでは?
テリパラチドとデノスマブの併用―これまでの骨粗鬆症薬で最高の効果!
骨粗鬆症薬PTH(1-34)の経皮投与パッチ製品の登場迫って想うこと
などでも触れておりますので、これ等も亦ご参照いただけましたら幸甚の到り です。

今日は、現状ではまだ世界で唯一の骨形成促進薬であるテリパラチド[ PTH (1-34)] の我が国における治験中間解析結果の報告を解説した論文を 添付しておきましたので、これも亦是非ご覧いただきたく思います。

テリパラチド連日投与の市販後調査中間解析結果
提供元:ケアネット
公開日:2015/08/19

近畿大学医学部 奈良病院 整形外科・リウマチ科の宗圓 聰氏らは、骨折リスクが高い日本人骨粗鬆症患者における、テリパラチド連日投与の有効性および安全性を検討する観察研究Japan fracture observational study(JFOS)について、試験デザイン、患者背景および中間解析結果を報告した。その中で、日常診察下におけるテリパラチドの有効性プロファイルは臨床試験ならびに欧州・米国で行われた観察研究の結果と類似していることを提示した。Current Medical Research & Opinion誌オンライン版2015年7月20日号の掲載報告。

研究グループは、骨折の危険が高い骨粗鬆症患者(男性/女性)に1日1回テリパラチドを投与し、3、6および12ヵ月後に評価した。

本中間解析は、臨床骨折、骨密度(BMD)、I型プロコラーゲン-N-プロペプチド(P1NP)、腰背部痛、健康関連QOL(HRQOL)および有害事象についての予備的報告である。

主な結果は以下のとおり。

  • 1,810例(女性90.1%)が登録された。
  • 本研究の対象は、他の観察研究でテリパラチドが投与された骨粗鬆症患者と比較し、年齢は高いが骨粗鬆症のリスク因子は少なかった。
  • 臨床骨折の発生率は、6ヵ月後2.9%、12ヵ月後3.7%であった。
  • 12ヵ月後の平均BMDは、ベースラインと比較して腰椎で8.9%、大腿骨近位部で0.8%増加した。
  • 6ヵ月後の血清P1NP濃度中央値は、ベースラインと比較して187.7%高値であった。
  • 12ヵ月後の疼痛スコア(視覚アナログスケールによる評価)はベースラインより低下し、HRQOLスコアは上昇した。
  • 新しい有害事象は観察され なかった。

(ケアネット)
原著論文はこちら
Soen S, et al. Curr Med Res Opin. 2015 Jul 20:1-30. [Epub ahead of print]


2015/08/28