遠藤浩良の雑記帳 当法人理事長遠藤浩良が個人的意見として発信する『遠藤浩良の薬学雑記帳』をお届けします。 薬学、薬業、医療に関する資料、情報、意見など盛りだくさんな内容です。
No.094
一般用医薬品の副作用による健康被害報告 ――
何と、厚労省からではなく、消費者庁から !!

  薬で社会問題が起これば所管する厚労省から発表されるものだとばかり思っていたら、何と以下のように、消費者庁から “風邪薬など市販の一般用医薬品でも副作用で死に至ることがある”と発表されて、新聞、テレビなどあらゆるメディアが重要問題として大きく採り上げたのは記憶に新しいところです。でも、それら個々の報道を一々採り上げるのは今や無駄話になりますから 、先ずはそれらを“一まとめ” にしたものをご紹介します。

過去5年で15人死亡…?消費者庁が市販薬の副作用で初の注意喚起 ...

消費者庁は8日、市販の風邪薬などでも、最悪の場合は死に至るような重い副作用が 起こる場合があるとして、日本薬剤師会などに対し、消費者に危険性を啓発するよう 要請しました。 
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詳細を知りたい場合は、ここから主要一般紙などの個々の報道にアクセスしてみてください。

  この他にも、中央にいては目立ちませんが、実は地方紙誌でも大きく採り上げられています、例えば

【市販薬副作用】国の責任で対応急げ
高知新聞 社説 2015年04月10日08時03分

 市販の風邪薬などに副作用を心配する利用者は少ないだろう。  市販薬による副作用症例が昨年3月までの5年間で1225件あり、 うち15件は死亡に至ったことを消費者庁が発表した。製造販売業者 からの報告を医薬品医療機器総合機構(PMDA)がまとめた。  全体の症例は風邪薬、解熱鎮痛消炎剤、漢方製剤によるものが大 半で、死亡例もこれら3種で8割の12件を占めた。いずれも薬局やド ラッグストア、インターネットなどで簡単に買うことができる薬であり、衝 撃は大きい。  皮膚や粘膜がただれるスティーブンス・ジョンソン症候群や間質性肺 炎、肝障害などを発症し、重症化する傾向があるという。消費者庁は 「市販薬の副作用症状はまだ多くの人に知られておらず、発見が遅く なる恐れがある」と注意喚起する。  消費者庁の発表では、独自収集している「事故情報データバンク」で、 2010年度に75件だった副作用情報が14年度に137件にまで増加し た点も見過ごせない。医療行政の経緯を踏まえれば、ことは重大である。  国は増え続ける医療費を抑制するため、公的医療保険の対象になる 医療用医薬品から、患者の全額負担である市販薬への転用を目指して いる。軽度な 体の不調は市販薬などで自分で直す「セルフメディケーショ ン」も推進し、安倍政権は市販薬市場の活性化を期して成長戦略に掲げ ている。  また、薬事法の改正で09年から、風邪薬などの第2類医薬品は薬剤師 でなくても「登録販売者」が販売できるようになった。スーパーやコンビニ も参入し、一層買いやすくなっている。  そもそも、市販薬の副作用の問題は以前から報告されてきた。重症例が 後を絶たないのは対応が遅れている証しであろう。中学校で「くすり教育」 が義務化されるなど一定の動きはあるものの、高齢者らへの啓発が進ん でいるとは言いがたい。  こうした経緯からも、市販薬の安全と副作用の回避は国の責任において 対策を急がなければならない。製薬、販売業界の使命はいわんやである。  消費者も、薬への不安や疑問は薬剤師や登録販売者に質問したり、「か かりつけ薬局」を構えたりする自己対策が欠かせない。PMDAの電話相談 窓口(03・3506・9457)を利用するのもよいだろう。

の如くです。

  この「医療教育研究所」はインターネットを通じた幾つかの医療関連教育事業を実施していますが、皆様方のために薬剤師生涯研修用の e-ラーニング・コンテンツを提供することを主な仕事としています。その中で、こうした一般用医薬品の副作用による健康被害については、これまでも多くの先生から随所で総論的に語られてはいるのですが、これからは生々しい実例に基づく各論を、例えば 皮膚や粘膜が激しくただれるスティーブンス・ジョンソン症候群(参考資料: http://www.pmda.go.jp/files/000146156.pdf )などについて、まだその実例に遭遇したことのない若い現場の薬剤師の皆さんにもご提供する機会を持ちたいと今企画を練っていますのでご期待ください。


2015/04/30