遠藤浩良の雑記帳 当法人理事長遠藤浩良が個人的意見として発信する『遠藤浩良の薬学雑記帳』をお届けします。 薬学、薬業、医療に関する資料、情報、意見など盛りだくさんな内容です。
No.074
カネボウの「美白化粧品」による「白斑」問題について

(株)カネボウ化粧品の美白化粧品による白斑問題に関する資料 (‘13.8.25)

  (株)カネボウ化粧品が製造販売する美白化粧品の成分であるロドデノールによる「白斑」という健康被害
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%89%E3%83%87%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%AB

については、致命的な事象ではないからでしょうか、それとも重大な事件である「ディオバン問題」の陰にかくれてしまったのでしょうか、新聞もテレビも散発的に報じているだけで、あまり系統だって採り上げていません。

  しかし、この問題は、安全に使用できるものとして法的には市場で誰でも販売ができる商品 に区分されている 「医薬部外品」 に依ると疑われているだけに、本質的には、初めからリスクがあることを前提にしている「医薬品」による健康被害以上に極めて重大なことかもしれません。

  それで、2013年8月13日の時点で、混乱している自分の頭の中を整頓するために、関連する比較的最近の報道や論評、あるいは関連学会や厚労省の公的な関係資料やらを少しばかり 整理してみましたので、ご参考までに提供します。

◆ 報道

  • カネボウ化粧品: 「白斑」  専門部署で検証なく1年半 毎日新聞 8月11日
    http://mainichi.jp/select/news/20130811k0000m040111000c.html

    ◇副作用情報届かず
     カネボウは最初に問い合わせを受けた後、約1年半にわたって適切な対応を怠った。消費者対応のまずさが被害を拡大させた形だ。
      「(最初の相談で)気付かなかったことが被害拡大の原因だ」。カネボウの夏坂真澄(なつさかますみ)社 長は7月23日、被害拡大を発表する記者会見で悔やんだ。初めて顧客から白斑情報が寄せられた11年10月、苦情などを受け付けるコールセンターの担当者 はひとまず医師の受診を勧めた。当時は「化粧品と関係ない病気と診断された」との回答があり、社内の注意を引かなかった。

      白斑に関する情報は、5月上旬までに33件寄せられたが、受け付けた担当者に白斑の知識がなかったり、 相談が1回きりだったりしたケースでは、窓口の独断で、重要度が低い「フォローの必要がない相談」に分類するなど、ずさんなケースもあった。昨年10月に は、皮膚科医から被害情報が寄せられたが、これも「アレルギー」と判断、重大な副作用とは考えなかった。 ・・・・・・・・・・   ・・・・・・・
     
  • カネボウ化粧品: 「白斑」の原因、治療法はなお不明
    http://mainichi.jp/select/news/20130811k0000m040110000c.html
  • 朝日新聞デジタル:カネボウ白斑被害、7266人確認 重い症状2980人 ...
    http://www.asahi.com/national/update/0819/TKY201308190256.html
  • カネボウ化粧品での白斑被害、4549人に
    http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=82731
  • 「白斑」治療・補償を要請=消費者庁長官、カネボウ化粧品社長に―被害者5702人に拡大
    http://www.jiji.com/jc/zc?k=201308/2013080900586&g=ind
  • カネボウ白斑被害者1万人と倒産危機
    http://funshoku.blogspot.jp/2013/08/kanebo-hakuhan-higaisha-tousan-kiki.html

◆ 私的な論評

◆ (株)カネボウ化粧品の“これまで”と“今後”

◆ 日本皮膚科学会の公的な発言

http://www.dermatol.or.jp/news/news.html?id=174
ロドデノール含有化粧品の安全性について 患者さん向けFAQ(特別委員会作成) 2013.08.16 (fri)

◆ 審査資料関係

  上記の資料を見ますと、医薬部外品といえども、一応は医薬品に準じたそれなりの資料は提出されていて、審議といってもこの程度かと思われる面がないではないにしても、形式的にはちゃんと審議の過程を踏んでいるのがわかります。

  それ故に、ここで承認されれば、メラニンの生成を抑え、”しみ”や”そばかす”を防ぐといった効能・効果を謳って商品の宣伝が完全に合法的に出来ることになりますから、今回の問題は非常に難しい点を含んでいますね。

  ”一億総懺悔” 的な言い方をすると責任の所在が不明確になって困るのはわかるのですが、申請する業界側も、承認をする行政側も、その間にあって当否の判定を下す科学者も、共に今回の問題を糧にして真剣に反省し、夫々にこれまでの甘い態度、体制を改めなければいけないですね。

2013/8/30