遠藤浩良の雑記帳 当法人理事長遠藤浩良が個人的意見として発信する『遠藤浩良の薬学雑記帳』をお届けします。 薬学、薬業、医療に関する資料、情報、意見など盛りだくさんな内容です。
No.024
薬害再発防止に関する厚労省の研究2題から想うこと

  厚労省は2009年6月3日、3月27日付けで「薬害肝炎の検証及び再発防止に関する研究班」から提出された

平成20 年度 厚生労働科学研究費補助金(医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究事業)
薬害肝炎の検証及び再発防止に関する研究 中間報告書
http://www-bm.mhlw.go.jp/shingi/2009/03/s0327-12.html

  を公表しました。全文は487ページにおよぶ長文の力作です。

研究班の委員構成は以下の通りです。

氏 名所 属主 担 当
主任研究者
堀内 龍也
(社)日本病院薬剤師会会長全体統括製薬企業関連の検証
分担研究者
磯部 哲
獨協大学法学部 准教授行政法からみた検証
情報伝達と対策の検証
高木 均群馬大学大学院医学系研究科
病態制御内科学 准教授
使用・発症実態
医療側の検証
津谷 喜一郎東京大学大学院薬学系研究科
医薬政策学 特任教授
行政関連の検証
使用・発症実態
研究協力者
片平 洌彦
東洋大学 社会学部
社会福祉学科 教授
被害者の立場からみた検証
松下 一章東海大学専門職大学院
代々木教学課
医事法・行政法からみた検証

  委員長の堀内氏は東大・薬の小生の研究室で大学院を終えて薬学博士の学位を取得した精力的な活動家ですし、分担委員の津谷氏は東京工大卒、その後更に東京医科歯科大・医を卒業し、同大の難治疾患研究所(”難研”)臨床薬理の助教授から東大に移った異色の経歴を持つ俊才ですが、東大寄附講座の教授公募に応募した時には小生も陰ながら”勝手連”的に尽力した関係があり、また協力委員の片平氏は東大・医・保健学科を卒業後、上記の東京医歯大・難研・臨床薬理で、小生の東大薬学の同級生である佐久間昭教授の下で上記津谷氏と同時に助教授を務めつつ、我が国の薬害について厚生行政、製薬企業の責任を鋭く追及し続けてきた、小生にとっては何十年かに及ぶ長年の友人です。

  こうした人達が今やこのように厚生労働行政の中でしっかりとかくも建設的な作業をする時代になったかと思うと、小生実に感無量です。

  た、前号のメルマガでは、医薬品消費者である患者或いはその家族などから医薬品副作用による健康被害を直接報告する制度の創設を求める小生の意見を開陳しましたが、その際に触れました「薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方 検討委員会」がまとめた第一次提言に対して、以下のように、パブリックコメントの募集が6月3日から始まっています。

「薬害再発防止のための医薬品行政等の見直しについて(第一次提言)」に関するご意見の募集について
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&BID=495090058&OBJCD=100495&GROUP=

  こうした精力的な作業の結果として真摯に提議されているもろもろの提案がいち早く日本の薬事行政に採用され、やがては我が国に”薬害”が生まれない時代が到来することを心から祈るものです。