遠藤浩良の雑記帳 当法人理事長遠藤浩良が個人的意見として発信する『遠藤浩良の薬学雑記帳』をお届けします。 薬学、薬業、医療に関する資料、情報、意見など盛りだくさんな内容です。
No.023
医薬品副作用被害の患者直接報告制度の創設を!

  医薬品の副作用による健康被害について、医療従事者や製薬企業からだけではなく、患者からの自発報告をも医療行政当局が公式に受理するシステムが欧米諸国では現在一般的に稼動していることを、小生は度々紹介してきました。代表例を、米国の食品医薬品局FDAのMedWatch Systemや、英国の医薬品庁MHRAによるYellow Card Scheme に見ることができます。

  これらについては、国立医薬品食品衛生研究所・安全情報部による「医薬品安全性情報」( http://www.nihs.go.jp.dig/sireport/index.html )で、”YellowCard Scheme” や ”MedWatch System” をキーワードにして、これに「患者からの直接報告」を掛け合わせてサイト内検索をしていただくと、我が国でもかなり頻繁に公式な紹介が出されていることがわかります。

  例えば、比較的新しいものでは、

医薬品安全性情報 Vol.7 No.07 (2009/04/02)
http://www.nihs.go.jp/dig/sireport/index.html

の5頁にある

Yellow Card Scheme:患者報告開始1年で一般市民からの報告が50%増加
http://www.mhra.gov.uk/home/idcplg?IdcService=SS_GET_PAGE&ssDocName=CON038803&ssTargetNodeId=835

の如くです。

  医薬品の副作用による健康被害の情報収集体制、特にこのような患者からの直接報告の受理の点に関しては、残念ながら我が国は全くの後進国と言わざるを得ません。

  そのため、先日2009年4月30日に、「薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会」から政府に提出された

薬害再発防止のための医薬品行政等の見直しについて(第一次提言)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/04/dl/s0430-6a.pdf

の中では、

第4 薬害再発防止のための医薬品行政等の見直し
(4)市販後安全対策等情報収集体制の強化

の項(30頁)に、

・・・・・ 患者からの副作用に関する情報を活かせる仕組み(患者からの副作用報告制度)を創設するべきである。 ・・・・・・・・・・

と強く提言されています。

  この点に大いに関連する最近の行政の動きとしては、食事で体調を崩した一般の人から厚生労働省が直接メールを受け付ける「食品健康被害情報メール窓口」が開設されたことが

食品健康被害情報メール窓口の開設について
平成21年4月1日
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/04/h0401-3.html

と発表されています。

  この担当は、同じ厚生労働省内の、しかも同じ医薬食品局にある食品安全部なのですから、小生は、同じ局内に席を並べて医薬品の安全性を担当する部門が、国民の健康に関わる点では食品と同様に極めて重要な位置を占める医薬品について、国民一般に対して同様な窓口を開いてしかるべきであるように思うのですが、間違えていますかねえ?