遠藤浩良の雑記帳 当法人理事長遠藤浩良が個人的意見として発信する『遠藤浩良の薬学雑記帳』をお届けします。 薬学、薬業、医療に関する資料、情報、意見など盛りだくさんな内容です。
No.017
英国、妊婦のカフェイン推奨摂取量を大幅引き下げ!

  緑茶やコーヒー、紅茶など、我々はカフェインを含有する飲料を日常的に結構な量で摂っていますが、カフェインの許容量はどれ程なのかを普段はあまり考えていませんよね。

  しかし、特に妊婦の場合には、カフェインを多量に摂り過ぎると、以下のように低体重児出産や流産の可能性が高まるなどのリスクが指摘されています。

※上記論文の日本語紹介:
コーヒー1日2杯でも胎児に発育遅延のリスク
―妊娠週数を問わず妊婦はカフェイン摂取を極力控えるべき
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/bmj/200811/508619.html

※上記論文の日本語紹介:
妊婦のカフェイン摂取は流産リスク高める、米研究
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2339945/2544071

  それででしょうか、妊婦の1日当たりのカフェイン摂取量を300mg(コーヒーならカップ4杯、紅茶ならカップ6杯程度)までが適当と2001年10月に定めていた英国では、この2008年11月3日に、食品基準庁(FSA:Food Standards Agency )が、妊婦のカフェイン1日推奨摂取量を200mgに引き下げると発表しました。

Food Standards Agency publishes new caffeine advice for pregnant women(FSA 2008.11.3)
http://www.food.gov.uk/news/pressreleases/2008/nov/caffeineadvice

  つまり、妊婦のカフェイン推奨摂取量は、インスタントコーヒーならマグカップで1日2杯、フィルターによるドリップ式コーヒーならマグカップで1日1杯、紅茶ならマグカップで1日2杯程度までにする必要があるとしたのです。

  昔から何かにつけタップリと紅茶をたしなむのが生活習慣のイギリス人にしたら、多分これは我々が想像する以上に大変なことなのだと思います。それででしょうか、以下のように、メディアは一斉にこれを報道しています。

     欧米では“Energy Drink”と呼ばれるカフェインを多く含むドリンク剤があり、またわざわざ ”カフェインレス” と謳った商品があるくらいですし、また普通のコークにはかなりの量にカフェインが入っていますから、国による上記のアドバイスは我々が想う以上にイギリス国民にとっては大変なことなのでしょう。

  もっとも日本でも、例えばリポビタンDなどよく飲まれる栄養ドリンクを摂れば、1回当たり40~50mgのカフェインを摂ることになりますし、また医薬品なら、OTCの鎮痛薬や感冒薬でも1回量で40~80mg位のカフェインを服用することになる場合が多いですから、薬局薬剤師としては、英国を他山の石として、特に若いご婦人のお客さんに対する服薬、保健の指導に当たっては、こんなことも心掛ける必要がありそうですね。