遠藤浩良の雑記帳 当法人理事長遠藤浩良が個人的意見として発信する『遠藤浩良の薬学雑記帳』をお届けします。 薬学、薬業、医療に関する資料、情報、意見など盛りだくさんな内容です。
No.012
英国で薬局薬剤師の降圧薬処方が効果挙げる!

  この6月14日から19日まで、ドイツのベルリンで、第18回欧州高血圧学会と第22回国際高血圧学会の合同学術集会 ”HYPERTENSION 2008”

HYPERTENSION2008が開幕 全世界から8000人超が参加
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/esh2008/200806/506850.html

が開催され、世界中からこの道の専門家が集まって高血圧治療の最新知見をめぐって熱心な討論を繰り広げました。

  ここで、日本とは医療制度が違うので直接我々の参考になるわけではないのですが、ロンドンの薬局薬剤師が、クリニックでも治療成績が上がらずにGP(General Practitioner ;総合医~家庭医)が頭を抱えてしまった高血圧患者に対して、生活習慣についてのアドバイスから降圧薬の処方に到るまで、積極的に薬局薬剤師が主導しての高血圧治療」(”pharmacists-led hypertension service”)を実施したところ立派な成果の挙がったことが、以下のように報告されています。

薬局で降圧薬を「処方」したら降圧成功率がアップ
英国で薬剤師による生活習慣指導や処方で効果
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/esh2008/200806/506891.html

  なお、この報道に出てくる英国のQOF(Quality of Outcome Framework)― 国が設定した治療目標を達成できたらクリニックの診療報酬がアップするというプログラム ― については、私どものこのコンテンツにもご登壇下さっている日本ジェネリック医薬品学会 ・代表理事・武藤正樹先生のロンドン視察記

日本の医療を変えよう 医療への提言 英国版P4P視察記
http://www.linkstaff.co.jp/sns/essay/doctor01/05.html

の中に具体的に語られておりますので、これも是非ご参照下さい。

  こうした英国の医療政策の中で、国民の保健医療の分野における国家戦略として、薬局とそこでの薬剤師をどのようにして積極的に活用していくかについては、これまでにも小生がご紹介したことがあります栃木県足利市の熱心な薬剤師さんの「アポネットR研究会」のホームページに、1年ちょっと前の話題ですからほんの少しばかり古くはなりますが、以下のようにかなり詳細に解説されていますので、これも是非参考にしてして下さい。

なお、英国の医療制度における病院薬剤師の役割については、10年近く前の留学経験で少し古い話しにはなりますが、以下も大変参考になります。

「英国における薬剤師の役割 ~英国での体験から ~」 早川 友子
http://www8.plala.or.jp/t-haya/vision_uk1.htm

  こうしたことに学び、我々日本の薬剤師も、日本の今の医療制度の中でどうあるべきか、また日本の医療制度を今後更により良いものに改革して行くためにはどうすべきかを、日頃の仕事の忙しさにかまけずに真剣に考えてみましょう。