遠藤浩良の雑記帳 当法人理事長遠藤浩良が個人的意見として発信する『遠藤浩良の薬学雑記帳』をお届けします。 薬学、薬業、医療に関する資料、情報、意見など盛りだくさんな内容です。
No.004
癌の化学療法と凍結外科療法

  薬剤師の皆さんは、癌の告知が進んできた今では、患者さんから抗がん薬のことをいろいろと尋ねられることも多いかと思います。

  我々としては、自身のテリトリーである癌化学療法が進歩してくれることを望むのは勿論ですから、胃癌の術後補助化学療法としてTS-1(大鵬薬品工業)に延命効果がRCTで認められたことを、世界的に著名なNew England Journal of Medicine誌が収載した

Adjuvant Chemotherapy for Gastric Cancer with S-1, an Oral Fluoropyrimidine
http://content.nejm.org/cgi/content/abstract/357/18/1810

ことなどは大変に喜ばしいことです。

※ これについては、以下の紹介、解説をご参照下さい。

しかし、皆さんは、患者さんとのコミュニケーションにおいて、癌治療一般の進歩に関しては患者さん或いはその家族より更に幅広い知識を持っていることが常に必要ですから、その一助に今日は、化学療法に依らない癌の治療法について、最新の事例を一つ以下にご紹介しましょう。

  それは、世界的に著名な病院であるアメリカのメイヨー・クリニック(Mayo Clinic)で凍結外科療法(cryoablation;またはcryosurgery、或いはcryotherapyとも言われます)を受けた腎臓癌患者62名についてレビューしたところ、現在の時点では良好な結果が得られていることが、シカゴで開かれた北米放射線医学会年会において11月25日に発表されたのです。

  科学報道がお粗末なわが国ではまだ報道されていないようですが、例えば以下のようにインドでは、ワシントン発で既にかなり詳しく伝えられています。

Cryoablation can treat kidney cancer
http://timesofindia.indiatimes.com/Cryoablation_can_treat_kidney_cancer/articleshow/2574034.cms

  勿論、アメリカ国内でも、以下に例示するように、詳しく報道されています。

Cryoablation -- A new treatment option for some kidney tumor patients
http://www.bio-medicine.org/biology-news/Cryoablation----A-new-treatment-option-for-some-kidney-tumor-patients-4520-1/

  ちなみに、日本では「凍結療法」は癌治療法としては”その他”に分類されている位にまだ一般的ではありませんが、金属製の針の先端からー185℃の超低温高圧アルゴンガスを噴出して癌組織を凍結し、融解させることにより癌細胞を死滅させる方法です。切除手術に比べて体への負担が少なく、痛みがないメリットがあります。

詳しくは、下記をご参照下さい。

癌の凍結外科手術 : Q & A
http://www.cancerit.jp/NCIinfo/treatment/Cryosurgery.html

  何かお役に立ちましたら幸いです。